蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei 2 ~



慧が写真を渡すと、卓海はそれをスキャナーで取り込んだ。

やがて、ノートパソコンの画面に写真の画像が映し出された。

卓海は画像ソフトを起動し、取り込んだ写真を拡大していく。


「……あぁ、ここに出てるな。見てみろよ、これ」

「ん?」

「バックの建物と、人物の影の入り方が違う。夜ってことで暗くして多少わかりづらくなってるが、拡大すれば一目瞭然だ」

「なるほど……。やっぱ合成ってことだね」

「だからそもそもこんなトコに行ってねぇんだから、合成に決まってるだろうが」


卓海は腕を組み、しかめっ面で言う。

慧は少し笑い、写真を取り上げた。


これで証拠品は揃った。

あとは……。


揃えた切り札をどう使うか。

どう使うのが、彼女に、そして絢乃に対して最も効果的なのか――――。


慧の瞳に鋭い光がよぎる。

慧は写真をジャケットの内ポケットに戻し、卓海に礼を言って応接室を後にした。



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