蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei 2 ~


絢乃はとっさにテーブルに歩み寄った。

そこにあったのは……。


――――――――――――
平成X年4月XX日

東京都目黒区XXXX
角倉沙耶様

  『通知書』

あなたは私の妻・秋月絢乃を正当な理由なく不当に監禁し、私達の婚姻関係を破綻に導く行為をしております。

4月XX日までに妻の身柄を解放しない場合、刑法220条の監禁罪と刑法222条の脅迫罪の規定に則り、法的処置を取る所存です。

なお、その際には同封してあります各種記録を証拠として裁判所に提出することを申し添えます。

   神奈川県川崎市XX区XXXX
    秋月 慧
――――――――――――


「……っ!」


絢乃は書類の後ろに添えてあった『各種記録』を見た。

そこには絢乃の携帯の発信履歴と位置情報がずらっと並んでいた。

よくはわからないが、恐らくこれは絢乃の携帯がここにあったことを示す証拠資料なのだろう。

その後ろに卓海とのツーショット写真のコピーも入っていた。

コピーは一部が拡大され、この写真が偽造であることを示す説明と、沙耶がこれを慧に渡した際の音声記録があることが記されている。

これは恐らく、脅迫罪の証拠として添付したのだろう。


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