蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei 2 ~
子供が産めなくても、どんなに情けない自分でも……
慧の傍を離れたくない。
――――慧の一番傍に居るのは、自分でありたい。
慧の傍にいるためなら、自分はどんな苦難にでも耐えられる。
それ以上に大事なことなんて、ない……。
熱く切ない想いが胸に溢れる。
これまで誰にも感じたこともない、激しい気持ちが絢乃の胸を灼いていく。
絢乃はそれに押されるように、涙声で叫んだ。
「私は、慧兄を誰にも渡したくない……っ」
「――――っ」
「慧兄が好きなの。だから……っ!」
と、叫んだ瞬間。
絢乃の体が物凄い勢いで抱き寄せられた。
ソファーに背を押し付けられ、奪うように口づけられる。
いつになく激しい口づけに、絢乃はなすすべもなく翻弄された。
やがて唇がそっと外され、絢乃の耳に慧の甘い囁きが忍び込む。
「ダメだよ、お前。そんなこと言っちゃ……」
「……っ、慧兄……」
「そんなこと言ったら、おれ、止まらなくなるよ?」