蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei 2 ~
甘く掠れた声が、熱く切なげな瞳が、絢乃の心を溶かす。
次第に深くなる唇に、体のこわばりが次第に解けていく。
不安も躊躇いも熱で溶かされ、ただ慧への想いだけが胸に残る。
絢乃は霞む視界の中、慧の首筋にそっと手を伸ばした。
消え入るような声で、喘ぐように囁く。
「……止めないで……」
「……っ、アヤ……」
「今は何も考えたくない。……慧兄のこと以外、何も考えたくない……っ」
絢乃は慧の背に縋るように腕を回した。
……今はただ、慧のことだけ考えていたい。
それ以外のことは、何も考えたくない……。
抱きついた絢乃を、慧の腕が強く抱きしめる。
そのまま膝裏を掬われ、そっと抱き上げられる。
絢乃はぎゅっと目を瞑り、慧の首筋に頬を押し付けた……。