蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei 2 ~
5.永遠の地
<side.慧>
墨色の闇の中、ランプの光に絢乃の華奢な白いうなじが浮かび上がる。
形の良い乳房の輪郭も、細く頼りなげな腰も、そして慧を見つめる潤んだ瞳も……
全てが慧の目を惹きつけてやまない。
体の下に組み敷いた絢乃の肌は快楽に上気し、喘ぐ吐息は花の香気のようだ。
慧は香気を吸うかのように絢乃の唇に口づけた。
しっとりとした桜色の唇は、慧が舌先でつつくと受け入れるかのように開く。
絢乃の目は霞がかかったように茫洋とし、いつもの気丈さがない。
この四日間、絢乃が沙耶にどう扱われ、何を言われたのか……。
だいたいの想像はつく。
いつもの絢乃ならこんなに頼りなげな姿を自分の前で晒すことはない。
――――今、絢乃の心はひどく弱っている。
絢乃の不安を払拭し、安心させてやりたい。
そう、思ってはいても……。