蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei 2 ~
しかし……。
そう考えると、自分達の間柄が特別なものでもないような気がしてくる。
というか日本は相当ユルいのではないだろうか?
と言うと、慧も頷いた。
「ま、そもそも日本は兄妹神が交わって生まれた国だからね。知ってるだろ? 古事記のイザナギとイザナミ。あの二人は兄妹だ」
「……そ、そうなの?」
「残念ながら最後は修羅場になるけどね。……それに日本以外にもそういう国はあるよ。例えばスウェーデンでは異父兄妹か異母兄妹なら結婚できる」
「えっ、ええっ!?」
絢乃は驚きのあまり仰け反った。
まさかそんな国があるなんて……。
絢乃はふと、前に慧から聞いた話を思い出した。
――――『極夜』の国。
日が昇らず、夜が永遠に続く国……。
スウェーデンも極夜の国の一つだ。
夜が長ければ家族の絆も深まる。
長い夜の中、二人だけの世界で密かな恋の灯をつける男女もいるのだろう。
夜闇に閉ざされた密室で、世の則を超えて二人だけの世界に踏み出す。
――――そう、自分達がそうだったように……。