蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei 2 ~
「……どうしたの、アヤ?」
「ううん。……嬉しいなって思って。私、地獄に堕ちるかもね?」
と笑いながら絢乃が言うと。
慧は一瞬驚いたように絢乃を見た後、その目を優しく細めて笑った。
絢乃が昔から大好きだった、その微笑み……。
「お前の前におれが地獄に堕ちるよ。……でもおれとお前しかいない、二人だけの地獄だ。ずっと鎖で繋がれて、未来永劫、離れることはない」
「――――それなら、天国と同じだよ」
絢乃の声が二人だけの寝室に響く。
二人はどちらからともなく指を絡ませ、口づけた。
夕闇の中、体中に捺された罪の烙印がじわりと甘い熱を帯びる。
慧の腕に抱き寄せられ、絢乃は甘い吐息を漏らした。