蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei 2 ~
テレビの中の二人の姿はお似合いで、まさに『幸せな結婚式』という感じだ。
もし、これが楠瀬ではなく慧だったら……。
そんなことをつい考えてしまう。
沈み込んだ絢乃の横で卓海がビールのグラスを傾けた。
テレビを見つつ、呟くように言う。
「永遠の誓い、ねぇ。……そういえばこの二人、付き合ってるらしいぞ?」
「え?」
卓海の突然の言葉に絢乃は思わず顔を向けた。
卓海は少し笑い、絢乃を見る。
距離が近いからだろうか、その口調はいつしかざっくばらんなものになっている。
「角倉沙耶だがな。お前の旦那と別れた後、何人かの俳優と噂があったが、今はこいつと付き合っているらしい」
「そうなんですか……」
「ま、女優だからな。よりどりみどりだろうよ。しかし、『永遠の愛』ねぇ……」
卓海はふぅと息をつき、呟く。
ん?と首を傾げた絢乃に、卓海はため息交じりに続けた。