蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei 2 ~
「永遠の愛なんてどうも信じられねぇな。どこにそんな保証があるってんだ?」
「……加納さん、結婚とか全く興味なさそうですよね。前からそんな感じですけど」
「結婚ねぇ……。お前らもだが、愛なんて不確実なものをよく信じる気になるな? オレには信じられねぇよ」
「……なんか加納さんって打算的な結婚しそうですよね。逆玉とか」
と思わずぽろりと漏らした絢乃に。
卓海はクッと黒い笑みを浮かべた。
その鬼の笑みにヒィと背筋を仰け反らせた絢乃だったが……。
続いた卓海の言葉に、絢乃は言葉を詰まらせた。
「打算的な結婚、か。……だがな、愛がない結婚よりさらに悪い結婚がある」
「……?」
「愛はあるが片方にだけ、という結婚だ」
卓海の言葉に絢乃は思わず息を飲んだ。
そんな絢乃の横で、卓海はビールを一口飲み、続ける。