蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei 2 ~



『……アヤ?』


慧だ。

絢乃はぐっと携帯を握りしめた。

沙耶のことがあったせいだろうか、慧の声を聴くだけで胸にジワリと温かさが広がる。

絢乃は慌てて立ち上がり、廊下の方に行こうとした。


と、そのとき。


「あーっ、どこに行くんですか絢乃さん!?」


半田の声が後ろから飛んできた。

見ると。

かなり酔っぱらった様子の半田が赤い顔で何やら叫んでいる。


「絢乃さん、まだオレの酒飲んでないじゃないですか~!」

「…………」

「まさか絢乃さん、課長の百人切りの中に入ってませんよね? もしそうだったら、オレ……っ」



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