蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei 2 ~
絢乃は軽く首を振った。
既に気配はない。
立ち止まった絢乃を見下ろし、卓海は続ける。
「そういえばお前、慧には電話したか?」
「……いえ……」
「アイツならまだこの時間なら起きてるだろ。早めに電話しとけ。わかったな?」
卓海は言い、くるりと踵を返した。
どうやら気を遣ってくれたらしい。
絢乃は軽く頷き、スーツのポケットから携帯を取り出した……。