エリート外科医の甘い独占愛
04.悲しみのウエディング
かわいらしいピンクのバラがアレンジされたブーケが、弧を描いて宙を舞った。
それに群がる同僚たちを見つめながら小さくため息を吐いた。
来るべきじゃなかったのかもしれないと、今更後悔の念に苛まれる。
でも、一度見てみたかったんだ。卓志の奥さんになる女性を。
卓志の実家の病院と取引がある大手銀行の頭取の令嬢だそうだ。
今年大学を出たばかりだという彼女には、おおきなリボンとフリルの沢山ついたプリンセスラインのウエディングドレスが嫌みなほどよく似合っていた。
若さを象徴する張りのある肌と、艶のある髪。
私の夜勤続きでボロボロ肌は、いくら手入れをしても到底彼女には太刀打ちできない。