エリート外科医の甘い独占愛

そんな私を見つめて、伊崎先生はいった。

「よかったです、笑顔になって」

「え?」

「だって、今日の野島さんずっと泣きそうな顔をしてたから、どうしたのかなって気になってました」

「そんな、こと……」

ないなんて言えない。

式が始まってからずっと必死で平気なふりをしていただけ。

大好きな恋人の結婚式で笑っていられるほど、私は強くないから。

本当は、大声で泣きたい。


< 17 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop