エリート外科医の甘い独占愛
「あっ、すみません」
「すみませんじゃすまない。そのまま注射してたら、大変なことになった」
伊崎先生はいつになく強い口調で言った。
動揺して立ち尽くす私に、
「他の看護師さんと代わってもらえますか」
そう言って投与されるべき薬を自らカートの引き出しから取り出そうとする。
「先生、私がやります」
慌てて手を伸ばすと、掠ったカートの上のトレイが床に落下し、ガシャンと耳障りな音が響いた。