エリート外科医の甘い独占愛
あんなミス、いつもならしない。
でも今日は、卓志の事で頭がいっぱいで、命に関わるような過ちを犯すところだった。
そう考えたら、ジワリと汗が滲み、指先が震えた。
そして何よりも、いつも私を評価してくれていた伊崎先生にあんなことを言わせてしまった。
そんな気まずさから、残りの半日は何となく関わることを避けた。
忙しい業務の中で、それはあまり得策じゃないことは分かっていた。
なのに、伊崎先生から逃げている自分が、たまらなく嫌になった。