エリート外科医の甘い独占愛
「ごめんなさい、私のせいで」
「ううん、野島さんのせいじゃない。もう、あまり謝らないで、惨めになるから。いっそ笑ってくれた方がいいくらい」
伊崎先生は力なくほほ笑んだ。
確かに私は昨日から謝ってばかりだ。
「はい、すみま、あ」
「ほら、また」
それから私は氷枕を取り換えると、伊崎先生の腕に留置針を刺した。
「はい、できました。2時間で落とせばいいですよね」
ビタミン剤入りの点滴をゆっくり滴下すると、優しいピンク色の液体がポタポタと落ちて流れていく。
どうか、伊崎先生が早くよくなりますように。
そう心の中で呟いて毛布を掛けた。