エリート外科医の甘い独占愛
そんな私の体をきつく抱きしめて卓志は言う。
「汐、今夜家に来て」
「――え。でも、奥さんは」
「実家の両親にパリ土産を持っていってやるんだって。そのまま泊まるらしいから今夜は帰ってこない」
「泊まってもていいの?」
「もちろん。今夜、君を抱きたい」
「卓志」
その時、廊下で卓志を呼んでいる声が聞こえた。
「呼んでる。じゃあ、また今夜」
去っていく卓志を見送ると、乱れた白衣を整えてポケットに忍ばせてあるグロスを塗った。
そして空室からこっそりと抜け出すと、何事もなかったかのようにナ
ースステーションへと戻った。