エリート外科医の甘い独占愛
「――電話はかけない方がいい」
コーヒーカップを私の目の前に置きながら、伊崎先生は言った。
「分かってます」
「ならいいんですけど」
先生は私の向かい側に座ると、かけていた眼鏡をはずしてテーブルに置いた。
その瞬間、私の鼓動がトクンと大きく拍動した。
伊崎先生はやっぱり卓志と似ている。
もしかしたら似ているのは顔のパーツのほんの一部分だけなのかもしれないけれど、今の私には卓志の顔がダブって見える。