エリート外科医の甘い独占愛
こんなふうに誘われるのは、好きじゃない。
でも、体の奥がジンと熱を帯びるのは止めることが出来ないのは、どうしてなんだろう。
「……不謹慎です」
「そうだね」
そういって卓志はクスリと笑った。
「じゃあ、9時に」
私が「YES」と言わなくてもきっと彼は確信したはずだ。
必ず会いに来ると。
「後はよろしくたのむよ」
卓志は白衣の裾を翻すと、私の横をすり抜けて病室のドアに手を掛ける。
行ってしまう。
そう思ったら触れたい衝動に駆られ、私は思わず卓志に手を伸ばしていた。