エリート外科医の甘い独占愛

「似てますよね、広岡先生に」

「え、いいえ」

「ううん、そう顔に書いてありますよ。外科に入ったばかりの頃、よく言われましたから。僕自身は似ていないと思っていたけど、他科の先生にも、患者さんにも間違われて。だから眼鏡をかけることにしたんです」

「そうだったんですね」

言われてみれば、入局当時の伊崎先生は眼鏡なんてかけていなかった。

もうだいぶ昔の事で、記憶の片隅に追いやっていたけれど、看護師の間でも卓志に似た先生が入ってきたと話題になったことがあった。

その頃の私は卓志に夢中で、伊崎先生のことを、気に留めることも無かったけど。

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