エリート外科医の甘い独占愛
「すみません、戻りました」
「野島さん、伊崎先生とどこへ行ってたの?」
先輩ナースは訝しげな顔で見つめた。
「実は、伊崎先生から頼まれた古いカルテを出し忘れてて、カルテ庫まで行ってきたんです」
困ったような表情で嘘をつくと、「大変だったね」そう同情してくれた。
「じゃあ、ラウンドしてから休憩しようか」
「はい」
私は伊崎先生に出くわさない様に祈りながら、懐中電灯を手に廊下に出た。