エリート外科医の甘い独占愛
私はそれを見て、言葉を失った。
そこには、アパートの部屋へ入る卓志と、それを迎え入れる私の写真が大きくプリントされていたから。
小さな画像を拡大したのか、大分ぼやけてはいるけれど卓志と私に間違いなかった。
そしてその写真の上側には『不倫する看護師』と大きな文字がまるで週刊誌の見出しのように踊っている。
ねえ卓志、どうしたらいいの?
そう縋る様に横に立つ卓志を見た。
けれど、卓志ただ真っ直ぐに前を向いているだけ。
院長は私と卓志を交互に見ながら言う。
「今朝、病院の職員専用玄関前に何枚も貼られていたそうだが、これは君たちで間違いないかね」
院長の言葉に、卓志は目の前の机を叩くと声を荒げた。
「これは私達ではありません。合成でも何でもすれば、いくらでもねつ造できるじゃないですか?こんなくだらないことで呼び出すなんて、院長も趣味が悪い。もう下がってよろしいですか?業務が立て込んでますので」
卓志はあくまでも、この事実を認めないつもりだ。
なら、私もそれに従うまでだ。