エリート外科医の甘い独占愛

「任期は5年だ。どうかね?」

卓志が異動なんて承諾するはずがない。

だって、あと数年この病院で医師としての技術を磨いて、実家の病院を継ぐんだから。

その計画が狂ってしまったら、実家の病院の資金援助を受けるために、好きでもないあの子と結婚した意味がなくなってしまう。

「どうって、どうしてこんなことで地方の病院なんかに飛ばされなければならないんですか!?異動させるよう口実が出来たからって、あんまりではないですか?」」

卓志は興奮した様子で、院長に詰め寄った。

慌てて止めに入った看護部長は、私にもう下がりなさいと指示をする。

「……でも」

「何をしているんですか。野島さんは早く病棟に戻りなさい」

出来るならこの場にいたかった。

でも、それは許されない。

私は一礼すると院長室を後にした。






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