エリート外科医の甘い独占愛

「野島さん、申し送りなら夜勤の他のスタッフが君の分もしていたから大丈夫ですよ。だから君はもう、あがった方がいいんじゃないですか?」

私は何も言わずに俯くと、伊崎先生は大きなため息をついた。

「かかわらないでと言われたけど、こんな状況になってしまったらやっぱり、放って置くことなんてできません。だから、何も言わなくていいから、聞いてください」

そう私に訴える。

「詳しくは分からないけど、あの写真を見る限りでは、これは君一人の問題じゃないでしょう?それに今、どうにかしようと動くのは得策じゃない」

伊崎先生の言うことはわかってるつもりだ。でも、今すぐにでも皆が私に向ける、蔑むような冷たい視線から逃れたかったから。

「気持ちは分からないでもないです。けど、広岡先生に確認を取ってからではないと、また問題が大きくなりかねませんよ?」

多分、私は今冷静な判断を下せていない。

私が小さく頷くと、伊崎先生は静かに頷いた。


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