エリート外科医の甘い独占愛

「はい」

「そうですか。野島さんが見てくれるなら安心できますね」

伊崎先生はまだ覚醒していない患者に向かって、ふとそんなことを呟いた。

それからクルリと私に向き直るとはにかみながら付け加える。

「だってほら、野島さんは仕事も早くて的確で。患者さんの側に立って僕ら医者に意見をくれるでしょう？」

「ああ、どうなんでしょ？確かに、常にベッドサイドにいるのは私達なので、患者さんの代弁者ではありたいと思いますけど」

「信頼してますよ」

「そんなふうに言われたの、初めてです」

私の仕事をきちんと評価して、信頼してくれている。

それがうれしくて、少しくすぐったかったから。

「ありがとうございます、伊崎先生」

私が照れた様に微笑むと、伊崎先生も同じ様に笑った。