みだりな逢瀬-それぞれの刹那-
これから向かうのは本社でも取引先でもない。真っ先に父に報告するため、海の見える丘の上にあるお墓。
『本当に信頼のおける人の見極めは難しい。でも、ずっとそばに居てくれる人やピンチの時に駆けつけてくれる人は大切にして欲しい。
ただ、相手に求めるばかりじゃ駄目だよ?人に必要とされ、愛して貰えるように、すべての人に常に思いやりを持って接しよう』
この言葉の通りに、私たち家族をはじめ社員にもとにかく優しかった生前の父。
この世界は騙し、騙され合いの蔓延した日常だ。それでも、本当に信頼のおける人にも必ず出会えると。
やっぱり私はお父さん似だね。親子ふたりで彼に惚れ込んでいるくらいには。
この7年がそのシルシ。だから早水と一緒だったら、どんなことでも乗り越えていけると思う。
時には喧嘩も交えて本音でぶつかって。仕事も恋愛も、もっと深くずっと……。
#【7】 感傷の理運。★終
これにてまりかさんシリーズ完了です!
時系列としては、“みだり~”本編より1年以上前のことです。
“凄く遠いスピンオフなのに無駄に長い”といつも言っておりましたが。笑
まりかさんたちに最後までお付き合い下さってありがとうございました。涙
サプライズは早水さんが、“社長室”の拓海氏の血縁者であることです。←
ちなみに里村社長は、この一件で社長の座を得ましたが。
みだり本編の通り、優しいように見えて誰よりも冷たい男が彼だったりします。