みだりな逢瀬-それぞれの刹那-


いつも通りにアハハと笑いながら、通りがかった店員さんを呼び止めて至極の一杯をオーダー。


「杏奈ちゃん、なに食べる?」

「なんでも食べる!」

のんびりとした口調でマイペースを貫く亜矢は、私のお皿に料理を取り分けてくれる。


まさに素敵女子の彼女は、嫁にしたいナンバーワン。羨ましいというか私が嫁に欲しいくらいだ。


「相変わらずね」と陽香が呆れて言えば、「まったく」と隣で頷いているほのか。


「じゃあ、YASHAが揃ったところでかんぱーいっ!」

「かんぱーいっ!」」

今日も仕切り屋な祥子の音頭で、5人がグラスやジョッキを掲げて乾杯をする。



ちなみにYASHAとは文字通り、全員の名前のアルファベットの頭文字をくっつけたもの。


安直なところが私たちらしいけど、何だかんだでお気に入りのネーミングだったりする。


< 13 / 117 >

この作品をシェア

pagetop