学童野球物語

　「速いな～」

　予想以上に速かったのか大島さんが目を丸くして言う。



　「よし。真は毎日走りこんでピッチング練習だ。亮が毎日受けてやれ。」

　突然大島さんに言われた一言が嬉しかった。

　僕は今までピッチング練習などしたことがなかった。

　ピッチャーであっても皆と同じにキャッチボールして、ノックも受けてきた。
　それが急に僕だけピッチング練習って言われるんだもの。
　

　今まで以上に練習にも気合いが入った。