学童野球物語
「亮。キャッチボールしないか?」

僕は明日からキャプテンになる。喜びよりも不安が大きかった。


「いいよ。」

 亮は僕の頼みを断らない。ずっと昔からだ。

 
「俺達新人戦勝てるかな?」

 近くの公園でボールを投げながら亮につぶやく。

 
「俺と真がバッテリーなんだぜ。大丈夫だって」

 
亮と話していると安心する。亮の一言が僕の不安な気持ちをかき消してくれる。

 「雄太さんと弘樹さん達でも勝てなかったんだぞ」

 僕は不安な気持ちをさらに亮にぶつけた。

 「俺がいるだろ。それに真の球はそう打たれないって」

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