LOVEless ~不倫~
「忙しい時間にゴメン」

なんだか落ち込んだ私は
リョウちゃんの顔が見たくなって
子供達をつれて家にお邪魔していた。

バタバタと子供達が2階に駆け上がって行くのを見届けてから
ハローワークの話をして
その流れで中川さんの忘れられない人の話題になった。


好き過ぎるから・・・会わない。
そう言っていた中川さん・・・。

「ね、私はなんでブレーキかけれないんだと思う?」

「みんなのブレーキはオートで
千帆のは手動なんじゃない(笑)」

「も~ぉリョウちゃん!!
真面目に答えてよ!!」

「千帆は人が良過ぎるんだよ。
もちろん、それはすごく良い所なんだけど
不倫では別。
時には、冷酷さも、
相手の気持ちを拒絶する勇気も
自分の想いにフタをする強い意思も必要なんじゃない?」

「・・・・・・」

「想いを諦めるのも、
想いの中にのめり込むのも
どっちも同じくらい辛いと思う。
でも、傷つく人が多いのは・・・
のめり込む方だよね。
不倫は当人同士だけじゃなくて
周りも巻き込むからさ・・・」

そこまで話してリョウちゃんは
フーツと大きく溜め息をついた。
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