LOVEless ~不倫~
「千帆さん!千帆さん!」

ヒロの声で我に返ると

目の前の車の窓からヒロが顔をだし

「乗って下さい」

と助手席を指さしていた。


いつの間に来たんだろ?
全然、気がつかなかった。


急いで乗り込むと


「えらいボーッとしてたけど大丈夫ですか?」
「寒かったですよね?」


慌ただしくて話しかけてくる
ヒロのおかげで
止まっていた時間が動き出した。

「あっ。うん。
眠いのとお腹すいたので意識失ってた」

少し調子を取り戻した私は

上手くごまかした。

< 229 / 265 >

この作品をシェア

pagetop