LOVEless ~不倫~
「ありがとうな」

人懐っこい暖かい笑顔に
見送られて店を出た。


「美味しかったしお腹いっぱい。
お店、繁盛するといいね」

私の本心からの感想に頷き

「ちょっとドライブしません?」


ヒロは、そう言って家とは反対方向に
車を走らせた始めた。

そっと携帯を見るとまだ9時過ぎ。

帰るには早いし
そもそも、まだ帰りたくない。

「うん。どこ行こうか?」

私の質問に

「どうしようかな~」

なんて気のない返事で
宛もなく車を走らせるヒロ。

なんとなく気まずくて

「運転、替かわろっか?」

って聞いてみるけど

「そんな気使わないで座ってて」

軽く断られてしまう。



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