LOVEless ~不倫~
「うわっ~綺麗!!」



ヒロが連れてきてくれた場所は
小高い丘にあるパーキングで
そこからみえる棚田(傾斜地にある段になった田んぼ)に
イルミネーションが施され
無数の光がキラめいていた。



「スゴイ!!」

予想外の景色に感動する私の横で

「俺も始めてなんだ。スゴイね」

ヒロも景色に見とれている。



誰もいないパーキングで

揺れる光を見つめる2人。



「この景色、貸切だね」

ヒロに言うと

「みんな、こんな時期までイルミネーションやってるって思わないんじゃない?それに田舎だし(笑)」

「そっか」

確かに私たちが通ってきた道にも
ほとんど車が通っていない。

「贅沢・・・」




美しい物を見ている間

人はただ感動して

その瞬間だけは心を無にできる。



汚れた自分を忘れられる
そんな最高の時。

< 234 / 265 >

この作品をシェア

pagetop