LOVEless ~不倫~
その声が電話越しに聞こえたのだろう。

ヒロが話し始めた。

「千帆さん・・・。

 これで終わりにするつもりですか?」

ストレートに聞いてくるヒロ。

いつも絶妙なタイミングで電話やメールをくれて欲しい時に欲しい言葉をかけてくれた人。

やっぱり勘は最後まで鋭いままなんだ・・ね。

「ごめん。
・・・もう会わない方がいいと思う」

私の意図と関係なく

なぜか低い声しか出ない。

「嫌です!!こないだの事はスイマセン。

千帆さんが落ち込んでるのに気づいてたのに

俺、自分の気持ちを押し付けるような事してしまって・・・。

でも、本当にずっと・・・」

「あの夜で私はヒロを好きにならないって

分かったから。

友達としても、もう・・・無理だと思う。

・・・お互い自分の居るべき場所で頑張ろ?」

ヒロの言葉をあえて遮って言葉を重ねて
返事も聞かずに電話を切った。

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