エキセントリックカルテット
「私はちゃんと聞いてるもん。ね、茜ちゃん」
「里穂、ありがとう」
彼女は高辻里穂といって私のお友達。
おっとりしていて、はっきり言ってとても可愛い女の子。
くるんと毎日綺麗に巻かれた毛先が動くたびに揺れる。
「茜ちゃんみたいな知的美少女の話を聞かない訳がないじゃーん。航希は聞いてないかもしれないけど♪」
このふざけた男子生徒は南潤之輔。
勉強も運動もそつなくこなし、みんなが言うには学年一、へたをすると学校一のイケメン、らしい。
髪色は当たり前に明るめの長さも長め。
髪の毛邪魔じゃないのかしら。
私には騒ぐ女子達が全く理解できないけれど、もてるのは認める。
ただ、やけに私に構ってくるので、他の女子からの視線が時々痛い。