夜桜と朧月
「話しは違うんだけどさ、真愛ちゃん、クリスマスには何か予定ある?」
いきなり話題を変えられたので、多少面食らったのは事実。
「クリスマス……ですか?24日?」
「そう、イブ」
クリスマス。
楓とクリスマスを祝ったのは、高校生の時だけだった。
就職してからは都合がつかないとか、多分浮気に忙しいとか、そんな理由で全く会っていなかった。
それが寂しいことなのか、嘆かわしいことなのかは、今はもう摩滅しきって分からない。多分今年も、楓はどこかのカノジョとよろしくやるんだろう。
「何も予定はないです、よ?」
何が嬉しいのか、お義兄さんは破顔して、身を乗り出した。
「じゃあさ、咲希と多希との初めてのクリスマスを一緒に過ごしてくれないかな?ついでに、俺も一緒、だけど」
「え……。いいんですか?私も一緒で……」
「二人が生まれて初めてのクリスマス、皆で楽しく過ごしたいな、と思ってね……」
そか。
そういう風に、ゆっくり人は歩き出すんだね。
それを思うと、お義兄さんのために、少しだけ安心した。
いきなり話題を変えられたので、多少面食らったのは事実。
「クリスマス……ですか?24日?」
「そう、イブ」
クリスマス。
楓とクリスマスを祝ったのは、高校生の時だけだった。
就職してからは都合がつかないとか、多分浮気に忙しいとか、そんな理由で全く会っていなかった。
それが寂しいことなのか、嘆かわしいことなのかは、今はもう摩滅しきって分からない。多分今年も、楓はどこかのカノジョとよろしくやるんだろう。
「何も予定はないです、よ?」
何が嬉しいのか、お義兄さんは破顔して、身を乗り出した。
「じゃあさ、咲希と多希との初めてのクリスマスを一緒に過ごしてくれないかな?ついでに、俺も一緒、だけど」
「え……。いいんですか?私も一緒で……」
「二人が生まれて初めてのクリスマス、皆で楽しく過ごしたいな、と思ってね……」
そか。
そういう風に、ゆっくり人は歩き出すんだね。
それを思うと、お義兄さんのために、少しだけ安心した。