夜桜と朧月
Ⅱ
「久しぶりー!!元気ぃ!?」
「そっちこそー!」
懐かしい顔ぶれ。
高校時代、共に過ごした仲間達。
皆に後押しして貰って、私と楓は付き合うことができた。私達の為に、一緒に悩んで励ましてくれた、かけがえのない友人達……。
それなのに………。
「まだ揃ってないけどさ、時間制だから始めちゃお?とりま皆、飲み物は?」
幹事の大濠君の声にビールっしょ、と答えたのは中洲君。うん、乾杯にビールは仕方ないよね。
ビールが運ばれて来ると、大濠君が立ち上がって音頭をとった。
「えー!本日は一応旧友会の名目でお集まり頂きましたが!ご存知の方もいらっしゃるとは思います通り、ここに同席している赤坂君と藤崎さんが、この度、結婚することと相成りました!!ささやかながら、ここでお祝いの音頭とさせて頂きたいと思います!!皆さん、いいですか?それでは……カンパーイ!!!!」
皆が、かんぱーい!!!!とはしゃぐ中、私はあんぐりと口を開けたまま、ジョッキを上に差し出していた。
えっ?赤坂君と藤崎が!?
知らなかったよ!?
赤坂君は、楓の一番の友人で、高校時代は私も色々相談に乗って貰っていた。
藤崎は、私と同じバトン部で、厳しかった練習を共に潜り抜けてきた、いわば戦友みたいなもの。
高校に通ってる時は私や楓を通してしか、一緒に遊んだ事なかったんじゃなかったっけ……?
この二人、いつの間に付き合ってたの!?高校の時はお互い別に彼氏彼女がいたよね!?
「え?え?私、ちょっとついてけないんだけど。藤崎と赤坂君、マジなの!?」
隣でオヤジの如く、焼き鳥を串から外しもせずに喰らうチヒロに、呆然と聞いた。
「ん?あー。付き合い始めたのは去年の秋頃みたいだよ。で、お互い高校ん時からの仲だし、ちょっと付き合おっか、って言ってたら、授かっちゃったらしいんだよね」
………授かったって………
「デキちゃったみたい。赤ちゃん」
本当に?
「そっちこそー!」
懐かしい顔ぶれ。
高校時代、共に過ごした仲間達。
皆に後押しして貰って、私と楓は付き合うことができた。私達の為に、一緒に悩んで励ましてくれた、かけがえのない友人達……。
それなのに………。
「まだ揃ってないけどさ、時間制だから始めちゃお?とりま皆、飲み物は?」
幹事の大濠君の声にビールっしょ、と答えたのは中洲君。うん、乾杯にビールは仕方ないよね。
ビールが運ばれて来ると、大濠君が立ち上がって音頭をとった。
「えー!本日は一応旧友会の名目でお集まり頂きましたが!ご存知の方もいらっしゃるとは思います通り、ここに同席している赤坂君と藤崎さんが、この度、結婚することと相成りました!!ささやかながら、ここでお祝いの音頭とさせて頂きたいと思います!!皆さん、いいですか?それでは……カンパーイ!!!!」
皆が、かんぱーい!!!!とはしゃぐ中、私はあんぐりと口を開けたまま、ジョッキを上に差し出していた。
えっ?赤坂君と藤崎が!?
知らなかったよ!?
赤坂君は、楓の一番の友人で、高校時代は私も色々相談に乗って貰っていた。
藤崎は、私と同じバトン部で、厳しかった練習を共に潜り抜けてきた、いわば戦友みたいなもの。
高校に通ってる時は私や楓を通してしか、一緒に遊んだ事なかったんじゃなかったっけ……?
この二人、いつの間に付き合ってたの!?高校の時はお互い別に彼氏彼女がいたよね!?
「え?え?私、ちょっとついてけないんだけど。藤崎と赤坂君、マジなの!?」
隣でオヤジの如く、焼き鳥を串から外しもせずに喰らうチヒロに、呆然と聞いた。
「ん?あー。付き合い始めたのは去年の秋頃みたいだよ。で、お互い高校ん時からの仲だし、ちょっと付き合おっか、って言ってたら、授かっちゃったらしいんだよね」
………授かったって………
「デキちゃったみたい。赤ちゃん」
本当に?