夜桜と朧月
その薫の声は、携帯を通して、間違いなく楓にも届いていただろう。




薫の声を聞いて、楓は何を思うのか?



「……分かった。明日、どこで、会おう……?」



楓が、待ち合わせにどこを指定するのか、私には分かる。



『学校の、あの桜の木の前で』








あの、道場横の、桜の木の、前。
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