【短編】JEWEL


大智とは、いわゆる幼なじみってやつ。

小さな頃は、マンションの友達みんなが下に集まり一緒に遊んでいた。

昔から大智は生意気だったけど、中学生になった今もそのまま。


――ウィーン


「また、振られたな」


……。


あがるエレベーターの中、グサッと刺さる一言に何も言い返せなかった。


エレベーターを待つ間も、乗ってからも何も話さなかったくせに、やっと話した言葉がソレかよ。


心の中で突っ込みを入れる、あたしに、


「お前、男見る目ねーんじゃね?」


ザクッ。


今度は、心臓を半分に切られたんじゃないか? そんな言葉。


確かにおっしゃる通りでございますよ。


その通りだけどっ!


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