サイレント・チルドレン01
「ちーちゃん」
「ん?」
プリに落書きしながら応える。
「かわい」
後ろから抱きついてきた。
ほんのり頬が紅潮する。
「アキもね」
顔を見られてなくてよかった。
その後、アキご志望のスポーツ用品店に
寄った。
アキは、子どもみたいに目をキラキラさせて商品を見ていた。
手は握ったまま。
あたし、こんなの見ててもつまんないんだけどなぁ…。
プリに付き合ってもらったから、黙っていた。
そのうち、ずっと同じものを見ていることに気付く。
欲しいんだな。
可愛いなぁ。
買ってあげる。なんて言わない。
今度、サプライズであげようか。
おねだり上手なところも、子どもみたい。
あたしが甘いだけかなぁ?