サイレント・チルドレン01
アキはじっと見ていた商品ではなく、
何に使うか知らないけど、多分消耗品であろうものを買った。
店を出て、しばらく歩く。
「昨日ね、部活勧誘してたんだけど、
すっごい面白い子いたの。
いきなりクイズとか出し始めてさ、
くだんないんだけどね…」
「うん」
微笑みながら、アキが相槌を打つ。
あたしが一方的に話し続けるのが、
いつものデートスタイルだ。
無言になったら、あっちからは話さないくせに、寂しいのか、抱きついてくるから話すしかない。
抱きつかれるのが嫌いなんじゃないよ?
歩きにくいのが嫌なだけ。
「それとね、「あ」
「なに?」
アキの視線の先にあるのは、CDショップだった。