初恋ごころ。
「おーい、早瀬!」
私に声をかけたのは、
20代の新米教師、神田(カンダ)先生。
通称 かんちゃん。
なかなかイケメンなのに
結構な鈍感、天然。
ってゆう私たちの担任。
「おはよ、かんちゃん。
ねえ…今日も寝癖あるよ。」
「えっ?今日こそは
直せたと思ったのに…」
かんちゃんは そう言って
手で髪を押さえつけた。
どこか抜けてるってのが
かんちゃんらしくて良いけど。
「で、どうしたの?」
「…そう、早瀬日直だよな。
この資材コピー室まで
持ってってくれないか?」
「えー…はぁい。」
ずしっ…
手渡された資材は結構重かった。
けど、大丈夫そう。
「悪いな、頼んだよ!」
かんちゃんは忙しそうに
教室を出て行った。
何か急用でもあるんだろうな。