おうちにかえろう
おうちにかえろう
炒飯と神様
小さい頃から、我慢することにはわりと慣れていた。
だけど、こればかりは我慢とかそういう問題ではなかったらしい。
17年間生きてきて、初めて空腹で倒れた。
しかも、道端で。
「いや…死んでるかと思ったわまじで」
「すみませんでしたご迷惑おかけして」
「米一口恵んでくれとか何のギャグだよ」
「まさか倒れるまでとは自分でも思いませんで」
「何だよその顔」
「今まで生きてきた中で一番おいしい炒飯です」
「俺の話聞いてる?」
目の前で、頬杖をついて物珍しいものでも見るような目で私を見ているのは、…知らない男の人。
私を助けてくれた人。
どうやら、この人の家の前で力尽きようとしていたらしい。
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