おうちにかえろう
「………………………これから……頭丸めて山奥に籠ります。気円斬が繰り出せるようになるまで戻りませんのでこれにて御免」
「ク●リンかお前は」
「…あ、…おでこに6つ、ぽっちをつけないと…そうすれば今日から私は最強の地球人に…」
「…ぽっちじゃねーからアレ。今更誤魔化そうとしても無駄だからね。ほんと下手くそだな話逸らすの」
そう言いながらもナイス突っ込みを繰り出している朔兄を尊敬してしまった。
さっきから瞬きをしないで固まってるなと思っていたけれど、誤魔化す言い訳を探していたのか。
手遅れすぎるだろ。
ばっちり聞いちゃったからね、檜山のダダ漏れた感情。
今更聞かなかったことになんて出来ないからね。
あんなの、絶対、出来ないからね。
…でも、本当にこいつ、話逸らすの下手すぎるな。
「………気功砲…いや、魔貫光殺砲…」
…ド●ゴンボールネタはもういいわ。
いい加減諦めろよ。
「………ま、いいや。とりあえずあれだな、決まりだな」
重苦しいのか何なのか分からないような妙な雰囲気を打ち砕いたのは、朔兄の一声。
俺と檜山の視線を一身に受けた朔兄は、全くぶれる様子がない。
その様子を見て俺は察した。
朔兄って基本的に何考えてるか分からないときが多いけど、
何考えてるか分かっちゃうときも多い。
今回は後者だから、分かっちゃったんだよね。
「―――美月ちゃん、今日からうちの子ね」
…ほら、ね。
当たった。