おうちにかえろう
「―――はい、お待たせ」
そのあと、お断りし続けたお風呂に、結局入らせてもらった。
その間に作ってくれていた炒飯は、
あの日とおんなじ味がして、
あったかくて、優しくて、
大盛りだったから全部食べれないかもしれないなんて心配してしまったけれど、
そんな心配必要なくて、ぺろっと全部たいらげてしまった。
「…うまい?」
「超うまいです……」
食べてる間も、涙はボロボロと止まらなくて、
むしろ、食べるたびに涙が溢れて、
泣きながら食べる私を、雨宮さんは笑いながら見ていた。
これだって、笑われているのにほっとするんだから、変な話だ。
私の全部は、おかしくなってしまった。
雨宮さんによって、変わってしまった。
戻ってきた雨宮くんは、私たちの様子を見てかなり困惑していたけれど、
「…え、何?何で泣いてんの?炒飯食べながら。…え、何で朔兄はニヤニヤしてんの?」
「秘密ー」
「秘密って何だよ…」
…私、ここに居てもいいのかな。
今日から私の家は、
―――ここだと思っても、いいのかな。
「今日からよろしくね、美月ちゃん」