おうちにかえろう
あらためまして
満腹になった上に、泣き疲れたからか、すぐにひどい眠気に襲われた。
それに気付いてくれたらしい雨宮さんは、突然勢いよく立ち上がったと思ったら、
『引き止めといてほんと申し訳ないんだけど、部屋がまだ片付いてないんだった…』
言いにくそうに、そんなことを言い出した。
いやいや何を仰いますか、雨宮さんが謝ることなんて何一つないのに、と言いかけたところで、雨宮くんが『でた、行き当たりばったり』と突っ込んでいたけれど。
『今日は和室に布団敷くからそこに寝てね、明日ちゃんと美月ちゃんの部屋片づけるから!』
半分夢の中の私は、恐らく、空返事を返したと思う。
こんな、足元がふわふわして、何だか気持ち良くて、少しずつ誘われていく感じ、初めてだった。
そのあとすぐに用意してくれたお布団は、ふわふわしていて、なんだかお日さまの匂いまでした気がして、倒れ込んだ瞬間に意識を手放してしまった。