おうちにかえろう





そろり…と、振り返った先には、段ボールが転がっていた。


中身はもちろん、散乱していて、とんでもないことになっている。





「…ほんとにすみません…!」




さっき、雨宮さんが自分の部屋に持って行こうとしていた段ボールを、倒してしまった。


なんてことだ。


私は、こんなところでも迷惑をかけて、本当に駄目人間だ。





「…ああ、ごめん、いいよ、今のは俺が悪………」




そう言われても、そう思うわけにはいかない。


散らばった荷物を拾おうと、急いでしゃがみ込んだ。


雨宮さんの声が途中で途切れた気がしたけれど、焦りから、確認することも出来なかった。


だから、そのまま目の前にあった冊子に手を伸ばした。



途中のページで開いていたそれを手に取った瞬間、





「―――……」





一瞬で、釘付けになってしまった。






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