おうちにかえろう
ここまでに至った経緯を説明すると、まず、今日の朝一で檜山が報告をしたんだ。
賀上に、昨日までの出来事を、全部。
『…と、いうわけで、昨日から雨宮家でお世話になることになりました…報告が遅れてごめんよ』
『……………。』
その時の賀上の顔は、今思い出しても笑える。
話が進むほどに生気が抜けていくような、間抜けな顔になっていって、最後は完全に硬直していた。
最後の方なんて、檜山の話ちゃんと聞いてたか?と疑いたくなるほどに、放心状態になっていた。
『…あ、あれ?まーちゃん?まーちゃん?』
『……。』
『私の話聞いてた?ねぇ』
『………。』
『……。ちょ、雨宮くん、まーちゃんの様子がおかしい』
檜山に言われるまでもなかった。
見るからにおかしかったからだ。
デコピンでもかまして正気を取り戻させてやろうかと思った瞬間に、賀上の目付きがいきなり険しくなった。
そのまま物凄い勢いで睨まれて、情けないけれど、ちょっとだけ怯んでしまった。
だって、恐いんだもん。
顔、恐いんだもん。
『信じないね!!!!!!』
『…なんでだよ…』
話しだけじゃ信じられるわけがない、と言い出して、放課後、うちまでついて来やがった。
……そして、今に至る。