おうちにかえろう
家賃と決まり事
「……まじですか……?」
目をひんむいて、聞いてしまった。
いや、だって、もしかしたら空耳かもしれないと思ったから。
雨宮さんの口から発せられた言葉が、衝撃すぎて。
「まじだよ、月3万」
「……。」
雨宮さんの顔は、どう見ても嘘をついているようには見えない。
右手の人差指、中指、薬指を立てた手を、びしっと私に向けているし…
やっぱり、勘違い、聞き間違いではなさそうだ。
「家賃月3万とか…やってけてます?ここ…」
「妙な心配せんでいいから」
腕を組んで溜息をついた雨宮さんを見ても、心配は拭えなかった。