おうちにかえろう
今度こそテーブルの上に全部揃って、グラスの中にも飲み物が注がれた。
雨宮さんは缶のままビール。
入間さんも、缶のままでチューハイ。
梅田さんは、マッコリを専用の器に注いでいた。
(マッコリ好きなのか…)
私と雨宮くんは、オレンジジュース。
未成年だから当然ですね。
「美月ちゃんは酒飲めないの?」
「飲んだことありません」
「まじで?飲んでみるっ?」
入間さんのお誘いを私が断るより早く、雨宮さんの声が響く。
「ばーか。未成年に飲ますな」
雨宮さんが呆れたようにそう言うと、入間さんは可愛らしく頬を膨らませた。
「朔ちゃんのケチー!みんな飲んでるから!今時の若い子は!」
「朔ちゃんのケチ…おやじ…」
「うるせーぞお前ら酒没収すんぞ」
と、言ったあとに「おやじってやめろよ」と真顔で梅田さんに突っ込んでいた。
そこは譲れなかったらしい。
でもまぁ、おやじには全然見えない。
「…もう限界腹減ったいただきます」
「あ!!望!!」と入間さんが声を張ったときにはもうすでに遅かった。
雨宮くんはすでにキムチ鍋の具を口に運んでいた。
「よーし、食え食え。いっぱいあるからな」
「はーい、いただきまーす!」
「いただきます…」
雨宮さんの言葉を合図に、今度こそ夕食の時間が始まった。